大阪電気通信大学

アートとして捉えるカスタムバイクの制作

カスタマイズされたバイクをアートとして捉える

制作経緯

一般社会において移動手段のひとつであるバイクのルックスに焦点を当てたカスタマイズ。

その方法・規模はさまざまですが、コンセプトや価値観など、考え方によって個性の出し方はそれぞれ異なります。

私はバイクのカスタムをすることは、キャンバスのように自己表現できる場であると考えます。

つまり、カスタムバイクとはビルダーやオーナーによる作品であり、第三者が観賞できる場に展示する行為は、絵画や彫刻などの芸術作品と相違ないと考え、バイクはアートとして捉えられるのではないかと考えました。

走ることが本来の目的であるバイクの既成概念を逸脱する本作品から、見る人の価値観を覆すことができるのではないかと考えています。

作品概要

コンセプト

華美

美術展などの鑑賞できる場に展示されることを想定し、美しさをコンセプトに制作しました。

パイプで構成された無骨なフレームの流れやアルミパーツの輝きなど、落ち着きのあるカラーリングから普段見ることのない部分まで、まじまじと見てもらえるようなデザインにしました。

(全長)1920mm (全幅)670mm (全高)830mm

ベースにはホンダ ズーマーを使用しています。

その理由に、

  1. 国内人気が高く、日々の生活でも目にする。
  2. 特徴的なデザインから、他のバイクと比べ印象的である。
  3. 北米や欧州など、日本国外へも輸出されており、世界的に認知されている。
  4. カスタムパーツが豊富

などが挙げられます。

フレームをデザインの一部としたズーマーの特徴を活かし、本来二分割されているシートフレーム部分にパイプを溶接し一体化、併せてフレームの短縮。

各部アフターパーツはUSDMと呼ばれるカスタムバイクジャンルに基づいたもので、前後でホイールサイズの違うスラッガースタイルやエンジン載せ替え、センターショック化など、流行のスタイルを取り入れカスタムバイクとしても理のあるものとなっています。

各パーツが主張しすぎないよう作品全体のバランスには意識し、ほかには無い個性を演出しました。

展示台の制作

また、作品を展示するうえで高さも重要であると考えました。

地べたや低い位置に展示してしまうと、走行するバイクを見る目線と変わらず、バイクであるという印象が強くなってしまいます。展示台の上に展示し、観者の目線を上げることで、認識に違和感を作り出し、よりアートとして捉えてもらうことができると考えました。

展示台には、2×4材と2×6材の木材を用い製作を行いました。

展示台の高さを70cmにすることで、作品の中心が120cmとなり、観者にとって作品全体が見やすいような設計しました。

外部協力

イトウトソウ

タナカモータース

YSK

作者プロフィール

大谷 直廉

デジタルゲーム学科 空間表現研究室(金村研)

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