大阪電気通信大学

身近な食品添加物

制作の動機

私たちが生きていく中で食事をすることは必要不可欠です。そんな中、何気なくコンビニやスーパーで買った食品、加工品を食べる機会が多いです。

しかし、その食品に含まれている原材料や添加物について考えた上で購入している人は少ないと考えました。

実際に、徳野貞雄教授監修:2003年「福岡市民の食生活に関するアンケート」(福岡都市科学研究所)には食の安全性に対し無関心な消費者が23%、食の安全性を意識しているが特別なことをしていない消費者が52.3%と約75%の消費者が食品に対しての関心が薄いとの結果が出ました。

現代の”ムラ”と”農”から見た都市社会学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpasurban1983/2003/21/2003_21_3/_pdf

これは元々農業のデータですが、原材料や添加物に関しても同じことが言えると考えました。

私は肌荒れが酷かった時期があり、食品の原材料を気にしてから治り始めたので肌荒れの原因は食品の原材料にあるのでは調べてみると、

食物添加物によって腸内細菌が荒らされ、肌荒れしてしまう人が一定数いることがわかっていることがわかりました。

私と同じような境遇の人たちが、食べている食品に少しでも気を配ることで肌荒れを解決できるのでははないかと思い、原材料について触れる機会が必要だと考えました。

私は初めは「添加物は危険だ」という認識でいました。

しかし、添加物について調べてみると、現代の生活には必要不可欠であるということも同時に感じました。

私たちの周りには添加物が含まれた食品がたくさんあります。それらと共存するために何が使われているのか理解するべきだと考えました。

そのために、身近な添加物の危険性を示すよりも原材料という部分に着目し身近に触れる機会を作ることで原材料や添加物に関心をもってくれるのではないかと考えました。

制作の内容

カードゲームを制作するに当たって、食品が題材のカードゲームについて調べました。

現在流通している食品のカードゲームは食品の安全性、食品ロス、食品の栄養といった部分に着目したカードゲームが多く、原材料に目を向けたカードゲームはなく、食品の原材料という部分に目をつけてカードゲームを制作することにしました。

「食の安全カルテット」

このカードゲームは、厚生労働省が制作した、子供向けに食の安全について学べるゲームです。食品衛生監視員の方々にアンケートを取り、消費者に知ってほしい食中毒や農薬、遺伝子組換えなどの食の安全に関する知識を神経衰弱をしながら学ぶゲームです。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/kodomo/cardgame.html

なんでやろう?食品ロスカードゲーム

このカードゲームは、大阪府環境農林水産部流通対策室が制作した、食べ残しや過剰除去、直接廃棄など食品ロスがどのような過程で出るか、どのように解決するかを学べるゲームです。

https://www.osaka-foodlosszero.jp/game/index.html

食品・栄養かるた

このカードゲームは宇都宮大学教授の赤塚朋子さん、新潟大学教授の高木幸子が監修し制作した、食品の色や特徴、よく含まれている栄養素を読み上げ、それをヒントに食品の描かれた札を取り合うゲームです。

https://www.kairyudo.co.jp/contents/10_goods/311797/index.php

身近な調味料、市販の肉類、コンビニで販売している食品をピックアップし、Illustratorでそれらのイラストを32枚と原材料を32枚、描かれたカードを制作しました。

カードゲームのルール

このカードゲームは基本的にはカルタと同じ遊び方をします。

しかし、違うことは絵札と読み札を反転させても遊べるということです。

  • イラストを”絵札”、原材料を”取札”
  • イラストを”取札”、原材料を”絵札”

の二つの遊び方を想定して制作しました。

慣れれば、イラストと原材料を両方ひっくり返し、交互に引いていくことで神経衰弱のような遊び方もできます。

成果

ドレッシングや醤油などのメインの原材料が同じ物は特にややこしく、とても盛り上がれるカードゲームになりました。

  • 何が入っているか楽しく学べて楽しかった。
  • 間違えたことによって逆に学ぶことができた。

といった感想をいただきました。

実際に、このゲームをプレイをしたのはバイト先の後輩なのですが、このカードゲームをして以降、このドレッシングには何が入っているんだろうと自ら見てくれるようになり食品の原材料に興味を持ってくれるようになり、関心を得ることに成功したと考えました。

このことから、たった一回の原材料について触れる機会があったことで今後も興味を持ってもらえ、今後買い物をするときに今まで興味のなかった原材料を見てもらえる機会がかなり増えると予想しました。

作者プロフィール

滝原駿

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