大阪電気通信大学

アメリカ大統領選挙をテーマとしたアナログゲーム『大統領選挙』

制作にあたり

 今回私たちは、選挙戦は面白いものであると感じさせ、少しでも政治に関心を持ってもらいたいという思いからこの制作をスタートさせました。まず選挙戦というものを知るにあたり、日本の選挙制度では少し複雑すぎると考えたため、二大政党制で対立構造が比較的わかりやすいアメリカ大統領選挙をテーマに、アナログゲームで楽しく学んでもらおうと考えました。

 しかし、アナログゲームは様々な知識を私たちにもたらしてくれると同時に、複雑でプレイに長時間を要する場合があります。実際、私たちもゲームをプレイしようと箱を開けた瞬間に数十ページにも及ぶ説明書の存在に気付いてしまった時は、そのまま箱を閉じて部屋のインテリアにしたという経験が何度かあります。

 本制作ではそんな経験を元に、「初めてでもすぐにルールを理解し遊ぶことができる」ということを主軸として「”少し”政治に興味を持ってもらう」ようなゲームを制作しました。

 

大統領選挙のシステムについて

 ゲームの話に入る前に、まず基盤となるアメリカ大統領選挙の選挙システムについての説明を少しだけしたいと思います。

 2分ほどの動画を用意したのでこちらをご覧ください。

 

ゲームの概要

赤い党と青い党の代表として大統領選挙に出馬し、大統領になろう!

 プレイ人数:2人 想定プレイ時間:30分

 赤い党と青い党の2つの陣営にわかれて51の選挙区でサイコロで勝負を行い、出目の大きい陣営がその州の勝者となり選挙人を獲得します。そして、より多くの選挙人を獲得して大統領就任を目指す陣取りゲームです。

 獲得した州が奪われる可能性のある「郵便投票」や、勝負の流れを変える「政策カード」でゲームを盛り上げつつ選挙システムや選挙の争点になる出来事などを学ぶことができます。

 

遊び方

準備 

 ・プレイヤーは青い党か赤い党のどちらの代表になるかを選択します。

 ・政策カードをランダムで3枚受け取ります。

基本の流れ

 選挙はゲームボードの州名の前に書かれた数字の順番に行っていきます。

 1.政策カード使用するか決め、使用する場合は表向きに置きます。

 2.サイコロを同時に振り、出た目が大きい陣営が勝利となります。

 3.勝った方が自陣営の州パネルを置き、そのパネルに白字で書かれた数字の分だけ選挙人を獲得します。

 4.ターン表の上のコマを次のターンに進めます。

 以上を全ての州で選挙が終わるまで繰り返し、最終的に獲得した選挙人の数が多いプレイヤーが大統領になることを宣誓し、ゲーム終了となります。

政策カード

 政策カードはサイコロの出目に数字をプラスしたり、サイコロを2回振るなど、選挙結果に影響を与えるカードです。必ずしも有利に働くとは限りませんが、勝負の流れを変えたい時に使いましょう。

 カードはゲーム中に3回まで使用することができます。しかし、連続で使用することはできず、1ターン目から17ターン目までの間。18ターン目から34ターン目までの間。35ターン目から47ターン目までの間の計3回でそれぞれ1枚ずつ使用できます。最後の4ターンはカードを使用することができず、自力での勝負となります。実際の大統領選挙と同じように日頃の行いが試されます。

郵便投票制度

 17ターン、34ターン、47ターン終了時に、山札から郵便投票カードを1枚引きます。この山札のカードには既に選挙が終了した州の名前が書かれており、開示された州でもう1度選挙を行います。

 この時、1度目の選挙と結果が異なる場合は州パネルを今回勝利した陣営のものに置き換え、獲得した選挙人の数もそれぞれの陣営から移動させます。1度目と結果が同じ場合は選挙人の数は変動はしません。

プレイ動画

 実際に1ゲームプレイした様子の動画です。

制作物

ゲームに使用する物

 ・ゲームボード

ボードの画像データ

ゲームに使用するボードです。

上部のターン表の上にコマを置いてターンを管理し、ターンごとに対応した州で選挙を行います。また、郵便投票を行う17ターン目、34ターン目、47ターン目の外枠を色を変えています。

選挙の順番は選挙人の数が多い州が後半になるように設定しており、最後まで勝負の行方はわからないようになっています。

 

 ・州パネル

 自陣営が獲得した州に置くパネルで、選挙速報で出される勢力図のようになるようにイメージしてデザインしました。

 手で拾ったり、隣の州の形と合わせやすいように0.3mmの超特厚印刷用紙を使用しています。

 

 ・郵便投票カード

郵便投票カード(アイダホ)
郵便投票カード(インディアナ)
郵便投票カード(イリノイ)

 裏面は郵便投票に使用する手紙の封筒をイメージしてデザインしました。

 ゲーム中は裏面の色ごとに3つの山札に分けられており、全部で3回ある郵便投票時にどの山札から引けばいいかわかりやすいよう、ゲームボードのターン表で示されている17ターン目、34ターン目、47ターン目の外枠の色と裏面の色を連動させています。

 

・政策カード

政策カード(スーパーチューズデー)
政策カード(大幅減税)
政策カード(不正の暴露)
政策カード(オクトーバーサプライズ)
政策カード(富裕層への増税)

 実際の選挙でも争点になったり、投票に影響を及ぼす出来事をモチーフにデザインしました。

 効果によって表面背景の色を変えており、初めてプレイする人でも理解しやすくなるような工夫をしている他、イラストは簡略化することで選挙に対する難しいイメージを減らし、興味のきっかけになるように意識してデザインしました。

 

装飾品

 ・背景ボード

背景ボード
背景ボードの画像データ

 背景のボードは歴代の大統領の姿が彫られたラシュモア山をイメージしてデザインしました。

 政策カードは簡略化したイラストを意識しましたが、背景ボードは選挙の緊迫感をゲームでも味わってもらえるようラシュモア山をイメージし、歴代大統領に見守られながらできるようなボードにしました。

 

 ・陣営ボード

陣営ボード(青い党)
陣営ボード(青い党)の画像データ
陣営ボード(赤い党)
陣営ボード(赤い党)の画像データ

 陣営ボードはゲームボードの周りが党員の集会場のようになることをイメージして制作しました。

 選挙に勝った政党がアメリカを支配するというイメージで、ホワイトハウスの上にそれぞれの政党のロゴを配置しました。

 

 ・宣誓文

宣誓文ボード
宣誓文ボードの画像データ

 アメリカでは大統領就任式の際に、職務への従事を宣誓することがルールで定められています。実際には宣誓の際に聖書を使用しますが、本制作では誓約書をイメージしてコンパクトになるようデザインしました。

 就任式の際に宣誓することを義務付けた憲法の条文を英語で記し、下部には実際の就任式で読まれる宣誓文を日本語で記しています。

 勝利したプレイヤーに読んでもらうことで、少しでも大統領になったような気分にさせることを目的に制作しました。

 

ロゴ

・タイトルロゴ

 アメリカ国土の形に切り抜いた星条旗と、政党ロゴを対角線上に配置することで二大政党による対決を行うアメリカ大統領選挙を表現しました。

 また、タイトルの文字はアメリカのメディアでしばしば用いられる”Breaking News”(ニュース速報)のデザインを参考に、両陣営から出される発表のニュースをイメージしています。

 

・政党ロゴ

政党ロゴ(青い党)
政党ロゴ(赤い党)

 元になった実在する政党である民主党と共和党は、それぞれロバとゾウを党のロゴにしています。本制作ではそれを元に、青い党はアメリカの国獣であるアメリカバイソンを、赤い党は国鳥である白頭鷲をイメージしてデザインしました。

 

作者プロフィール

大坪志也

総合情報学部ゲーム&メディア学科

キャラクターコミュニケーション研究室所属

ゲームボードデザイン、ロゴデザインを担当

窪田彩乃

総合情報学部ゲーム&メディア学科

キャラクターコミュニケーション研究室所属

カードデザイン、背景ボード・陣営ボードデザイン、イラスト制作を担当

久永尚輝

総合情報学部ゲーム&メディア学科

キャラクターコミュニケーション研究室所属

ボード・パネル制作、ゲームバランス調整を担当

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